2009年08月02日

妹尾ゆふ子 『鏡の中の空 上』

本日をもって、そなたを貴族に列す
「やはり山地に別荘を建てて隠居しようと思うのですが。そこまでは二の君の使者も来ないでしょう」
「命じられればどこへでも参りますぞ、使者は」
「夢のない回答ですね」
「それは失礼を。次の機会がありましたら、夢いっぱいに答えてみましょう」

翼の帰る処2−鏡の中の空 上
妹尾 ゆふ子
幻冬舎コミックス ( 2009-07 )
ISBN: 9784344817074
おすすめ度:アマゾンおすすめ度


侵略者たちを撃退し、化鳥の騎士団を復活させた北嶺は、郡から国に昇格される。それとともに叙爵されることになってしまったヤエトだが・・・

隠居の夢どころか貴族の仲間入りをすることになって領地まで受け取り、危うい出世街道まっしぐらに進んでいるヤエトの苦労話風ファンタジー第二弾です。

今回は一言で言うと、爺さま大活躍
表紙にも躍り出てきて、第一話『翼の帰る処』では語られなかった、ファンタジー好きにも魅力的な背景までしょって、ヤエトの押しかけ騎士団長におさまったジェイサルド。この名前にまつわる謎が、これまでにも小出しにされてきた伏線とどう関わってくるのかを考えるだけでワクワクします。
さらにこの爺さまの悪人ぷりというか「目的のためには手段を選ばず」というところが、頭の中では悪態ばかりついているのに生来の真面目さゆえにバリバリと働いてしまうヤエトの辛辣さ・ボケっぷりとあいまって、非常にいい味を出してくれていました。ヤエトは一言でいうと貧乏性なんでしょうね。
新登場の代官スラジャも、これからいいスパイスになってくれそうです。
今回は序章をのぞけば幻想的な(?)描写は少なめでしたが、その分日常的な部分が楽しめました。

結局、第一話読了後に実家から持ってきた同世界のお話を、またもやざーっと再読する羽目に陥ってしまいましたが、やっぱり好きです、このシリーズ。
この皇女さまやヤエトや爺さまやルーギンや鳥たちのお話自体も面白くて好きだし、これもあれも全部ひっくるめてこの世界のお話自体が好き。なので出来たら仄めかされている伏線が回収されきるところまでシリーズが続いてくれると嬉しい。
ひとまずは今回のこのお話が下巻でどう着陸するのかに目下の興味はありますが。下巻が楽しみです。
あ、シロバもかわいかった。
タグ:妹尾ゆふ子
posted by 高 at 19:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 邦人 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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