2009年03月09日

栗原ちひろ 『オペラ・エテルニタ 世界は永遠を歌う』

「ああ......ええと、カナギ。君の故郷では、『ない』ことをなんと言います?」
「ない? レイ......いや、ソラ、かな。なんでだ?」
唐突な問いに戸惑うカナギに、詩人は柔らかく笑って返した。
「わたしも、旅の道連れに名乗ろうと思ったんですよ。詩人に名はありませんから。わたしのことはソラと呼んでください。......よろしく、カナギ」


オペラ・エテルニタ 世界は永遠を歌う
栗原 ちひろ
角川書店 ( 2005-08-31 )
ISBN: 9784044514013
おすすめ度:アマゾンおすすめ度


魔物のために封鎖され死を待つばかりとなった故郷を救おうと、不死者を探して北方の辺境を訪れた薬師の青年・カナギは、なりゆきから妙に飄々とした詩人・ソラを旅の道連れにすることになる。
カナギを狙って帝国から放たれた暗殺者集団の少女・ミリアムにも追われつつたどり着いた不死者の都は、どこかおかしな空気に包まれていたが・・・


あちこちでお勧めされて、自分でも多分好みだろうなと思いつつ後回しにしていたシリーズですが、ようやく読みました。はい、やっぱり面白かったです。
700年前の大災害でそれまでの文明を失い、世界の果てから現れるようになった魔物に怯える人々を救ったとされる「世界の王」と「鳥の神」、そのしもべとして魔物を狩る役目を負った不死者たち。
そんな風に壮大な世界設定のもと、故郷を救う術を求めて旅をする青年と謎がいっぱいいっぱいありそうな詩人と、カナギを追ううちに前世界の遺跡で魔法力に目覚めてしまった少女のやり取りはどこまでも軽快です。
その軽快なやり取りを即物的に楽しみつつ、謎めいた詩人の過去や不可思議なあり方をしている世界の秘密を想像するのがまた楽しい。
なんとなーく初期の前田珠子さんを思い出させる文体でした。この方は作品を完結させてくれないから、今はほとんど読んでいないんですけどね・・・。
続刊も古本屋で全巻購入してあるので、のんびり続きも読むつもりです。

どうでもいいことながら、こういう長いシリーズものって、あとからまとめて読もうとすると順番が分からなくて困ります。なんでライトノベルのシリーズものって、巻数表示をつけないんだろう?
巻数表示がだめなら、いっそ五十音順なんてどうでしょうね。 「1.オペラ・エテルニタ、 2.オペラ・カンタンテ、 3.オペラ・サンクトゥス・・・」みたいになってれば、まだ分かりやすいんだけどな。
ラベル:栗原ちひろ
posted by 高 at 10:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 邦人 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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