2009年02月18日

吟鳥子 『架カル空ノ音 4』

この世のどこかにいる誰かに、どうか孤独ではないことを伝えてほしい
架カル空ノ音 4
吟 鳥子
エンターブレイン ( 2009-01-31 )
ISBN: 9784757746633
おすすめ度:アマゾンおすすめ度


完結しました。古代鳥人族のわずかな生き残りであり今まさに滅びに瀕している種族と、泥沼の戦争から逃げてきた従軍医のジャックをはじめとする人間たちとの物語。
堪能したー!!
この巻で完結だと知らずに読み始めたので度肝を抜かれましたが、それでも見事に描き切ってくれていましたよ、作者さん。

思うにこれは、疑い、不安にさいなまれ、憎み争い戦わずにはいられない人間という生物が抱えたどうしようもない性(さが)に対するひとつの答えを探す物語だったのですね。
このお話では、太古の時代から運命を受け入れ他の生き物とともに生きてきた鳥人族たちが、自分たちを滅びに追い込む存在であり、かつ自分たちのあとを生きてゆく存在である人間たちをどう受け入れるか、というかたちで提示されています。
でもきっと、これが絶対の答えというのではなく、ずっと形を変えて模索されていくテーマなんだろうなと感じました。そういう目で見ると、これまでの作品もつながりますし。

まじめで哲学的なテーマにもなりえるものを、エンターテイメント性も保ちつつ感動的なお話に仕上げている手腕に拍手。
紫堂恭子さんの『グラン・ローヴァ物語』は同じようなテーマをもっとやさしく包み込むように寓話的に描かれていた気がしますが、こちらは更にドラマチックに、負の面もリアルに描いているという印象。

「むかつくぜ。オレら人間が、どんだけのことをして毎日生きぬいてきたと思ってんだ。あんたらのなまくらなナイフで命が守れるかよ。ちょっとくらい珍しい羽根が生えてるからなんだってんだ。そんなもん生き残れる理由にならねえんだよ。
泥を食って血を浴びて、オレはやっとのことで生きてきたんだ。なのになんでてめぇらみたいな・・・! ボケっと幸せそうな奴らの為に、なんでジャックは・・・オッサンは、死んでやろうなんて思うんだ・・・!」
ラベル:吟鳥子
posted by 高 at 10:50| Comment(2) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ああっ、これ4巻で完結したんですか!2巻までは読んでいたんですが、気づきませんでした。早く読まなきゃ(笑)
Posted by すず at 2009年02月19日 10:13
そうなんですよ。もうー素晴らしい出来なので、ぜひぜひ読んでください!
Posted by 高 at 2009年02月19日 22:03
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