2009年02月16日

辻村深月 『太陽の座る場所』

太陽はどこにあっても明るい。
太陽の坐る場所
辻村 深月
文藝春秋 ( 2008-12 )
ISBN: 9784163277202
おすすめ度:アマゾンおすすめ度


高校卒業以来、毎年開催されているクラス会で話題に上るのは、女優として活躍しているキョウコのこと。
それぞれに秘めた想いを抱える面々は、キョウコをクラス会に引っ張り出そうと画策するが...


うーん、なんとも微妙な読後感でした。
登場人物たちがみんなすごいドロドロなんですよ。これがリアルタイムで中高生くらいなら、百歩譲って大学生なら、揺れ動く不安定な時代の心理として頷けるし純粋に没頭できたと思います。実際『冷たい校舎の時は止まる』などは、まさにその時代の話だから、多少の作りこまれた感はあっても、とても面白かったし楽しめました。
でも28歳としては幼稚すぎるというか、自意識過剰すぎる。卒業して10年たってもその時代に囚われている人たちの話だから仕方ないのかもしれないけれど、このくらいの年齢になると、ドロドロは持っていても、それすらある種の達観とともに諦めて受け入れて、もっとしたたかなドロドロになっているものじゃなかろうか。
そういう意味では、同じドロドロでも恩田陸さんの『木曜組曲』とか『黒と茶の幻想』あたりの方が好みです。"いい年なんだからもう少し大人になろうよ"と少々冷めた目が入ってしまいました。

ただやはり、この作者さんならではの心理描写は見事。高校時代をともに同じ教室で過ごしたそれぞれの視点から綴られる物語には引き込まれるし、時間かかりすぎだよという突っ込みはさておき、囚われていた過去から自分で出ていくまでの描写は、やはり魅力的です。なんだかんだいって読んでいる間も面白かったことには違いありませんでした。
ちなみに視点人物たちの中では、紗江子が一番好みでした。

あとはもう、好みの問題でしょうね。男性にはあまり向かないかもしれません。
タグ:辻村深月
posted by 高 at 08:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 邦人 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/250561321

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。