2008年12月23日

ひかわ玲子 『龍の七部族 III』

戦いの行方を握る鍵は、星々の彼方に――
龍の七部族 III 竜の地平
ひかわ 玲子
朝日新聞出版 ( 2008-12-19 )
ISBN: 9784022739070


いやー、随分と復刊前とは内容が変わりました。復刻版の1巻が刊行されたときから、あとがき等で予告されていたのですが、それにしてもここまで変わるとは。3巻はほとんど書き下ろしですね。
以下ネタばれです。




でもその分堪能しました。青姫ルビアが戦いの趨勢の鍵を握っているのは変わりませんが、こうして読んでみると、復刊前は本当に駆け足だったんだなぁというのが、よく分かりました。
復刊前は、舞台はあくまで龍の七部族が暮らす星の上であり、<天上人>や他の<天上を翔ける民>の住まう<星界>の存在は語られるだけだったのが、今回は、星々の世界――<星間連盟>まで行き、議会に出席し、さらには自分たちの星にずっと干渉してきた<天上人>の星まで行って交渉をしています。その様子も丁寧に生き生きと描かれているし、ルビアたちが住まう<翠星>にやってきた<星人>ローレリアの出身である<碧星>のことも以前より細かい描写があって(要するに地球のことなんだと思います)、面白かったです。それにこの翠星、碧星、赤星、などの名前も美しいですよね〜。
青姫ルビアはもとより、明狼子ヴェルカルス暁旗子アクセスの活躍度が倍増。アクセスにいたっては、復刊前は死んでいたのに生き延びていますからね、当り前と言えば当たり前ですが。特にヴェルカルスの目立ちっぷりは以前の比じゃないですね。その分ルビアの兄であるデュオンの影が少しかすんでしまったのは残念でした。いや一応彼にも花を持たせようとしているのは感じるんですが、いかんせん他の人たちの活躍に比べると、ね・・・。

ともあれ、以前は説明不足だったりよく分からなかったことが、今回こうして読んでみることでよく分かり、その分楽しめたのは疑うべくもありません。長らく絶版だったこの作品が、またこうして人の目に触れることになったのも嬉しいし、それがさらに完成度がupしてくれたのはさらに嬉しかったです。
「何が問題だったのだ?」
レーガの問いに、すぐさま、アクセスは答えた。
「<万里堰>でも<堰>外の世界でもない。さらにこの<星>の外にある大きな力、外にある勢力です。それが我々の歴史に干渉している。我らの歴史は、彼らによって作られている。......<天上人>です」
ラベル:ひかわ玲子
posted by 高 at 16:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 邦人 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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