2008年10月29日

ひかわ玲子 『龍の七部族 I』

<万里堰>を隔てて続いてきた戦いの果ては――
「こう、言われています。
『千の年、千の時の果てにはすべては変わる。
叡智とは、その果てのためにあるもの』と。
人がそれを望むなら、千の年月の果てには、わたしたちはそれを変えることができます......」
龍の七部族 I  〈水方郭〉、陥つ
ひかわ 玲子
朝日新聞出版 ( 2008-10-21 )
ISBN: 9784022739025


はるか千年の昔に天空より降り来たった<天上人>の干渉を嫌い、戦い続けてきた<龍の七部族>。両者の間に横たわる<万里堰>を隔てて永劫に続くかとも思われたその戦いは、七部族のひとつである晃家の砦<水方郭>が<銀竜>によって破られることで変化の様相を示してきた。
暁家に落ち延びた晃家の公子と姫、暁家の公子は、七部族の連合を提唱するが・・・


大幅な改稿を経て復刊された『龍の七部族』三部作の第一部です。
以前は5分冊でしたが、今回はその一冊目と二冊目である『風雲の七公子』『暁の攻防』にあたるようです。
といっても、改稿前の文庫(朝日ソノラマ)を読んだのはずいぶん前のことで細かいところはすっかり忘れているので、新鮮な気持ちで読むことができました。
それにしてもやっぱり面白い! このお話、私は大好きです!!
<天上人(つまり宇宙人)>による支配と干渉を嫌って、星をぐるりと一周する<万里堰>を築いた、龍を駆る人々―<龍の七部族>。
その独立独歩な誇り高さと、それぞれの一族特有の能力と魅力が、物語の始めに登場する落ち延びた晃家の公子デュオンと青姫ルビアや、暁家の公子アクセスなどを通じて、非常に生き生きと描かれています。そこに更に<万里堰>の向こう側、天上人たちの支配を受け入れて文化を築いてきた人々の側からのお話も加わってきたところに、<天上人>側から査察をしにきた人々<天上を翔ける民>の様子などから、<天上人>側もどうやら一枚岩ではないようだということが察せられてきて・・・
物語の主体は飽くまで<龍の七部族>側にあるので混乱することはないまま、重層的に世界の様子が分かってきます。その過程も面白い。

あとがきによると、以前発表された作品には作者的に悔いが残る終わり方もあったらしく、そのあたりを変えたようでもあります。
その辺をいま一つ思い出せない読者としては、このままこの改稿版を楽しみたい反面、以前の文庫版を読み返したい衝動にも駆られて・・・ウズウズ。図書館で探してみようっと。

朝日ソノラマ文庫版『龍の七部族』感想はこちら
ラベル:ひかわ玲子
posted by 高 at 22:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 邦人 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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