2008年09月29日

多崎礼 『<本の姫>は謳う 4』

希望はまだ、死んではいない。
立ち上がれ、我が兄弟
お前は一人ではない
そうだ、我らは一人ではない――
本の姫は謳う 4
多崎 礼
中央公論新社 ( 2008-09 )
ISBN: 9784125010489
おすすめ度:アマゾンおすすめ度


ついに完結しました。甚大な力を持つ文字(スペル)を用して世界を滅ぼそうとするレッド、それを止めようとするアンガスと<姫>と愉快な仲間たちの物語。その裏側で進行する、過去、スペルを世界に解き放ってしまったアザゼルとリバティの恋物語。

驚くくらい綺麗にまとまりました。
特に気になっていたアザゼルとリバティのお話は、絶対悲劇に終わるんだろうと思っていただけにビックリ。そうか、こういうやり方があったか。
そのアザゼル達の物語に比べると、若干吸引力が弱かったアンガス側のお話も、後半は盛り上がってくれました。
というか、あんまり真っ直ぐな主人公とストーリーって、どうしても魅力が半減するんですよ、個人的な好みで。素直で真っ直ぐな人より、ちょっとくらいねじ曲がっていたり悲壮感漂っている方が好きなんです。
後半に盛り上がってくれたのは、そのアンガスも暗闇に呑まれそうになったり、他の登場人物が彼の分も暗ーい空気を醸し出してくれたりしたおかげ。ただアンガスがあれだけ真っ直ぐでいた必然性も分かったので、少しスッキリしました。

アザゼルとリバティ、ラピスの人たちの物語も、アンガスとセラ、その他の人たちの物語も、これからも続いていくんだろうと思える、心地よい幕切れ。そもそもの発端(?)である、最初と最後の語り手であり、大賢人として伝えられるもう一人のアザゼルの謎も解けたし、満足です。
それにしても、以前の感想でも書いた気がするけれど、この作者さんて入れ子式のお話好きだなー。『煌夜祭』もそうだったし。面白いので構わないけれど、次回作も楽しみにしています。
ラベル:多崎礼
posted by 高 at 18:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 邦人 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。
>素直で真っ直ぐな人より、ちょっとくらいねじ曲がっていたり悲壮感漂っている方が好きなんです。
わはは、私も最近とみに素直で真っすぐだけの物語では満足できなくなりました。
「オペラシリーズ」(栗原ちひろ・角川ビーンズ文庫)なんか、そんな高さんにはおすすめです☆
Posted by おむらよしえ at 2008年09月30日 09:22
わーい、こんばんは。ねじ曲がり好き仲間(?)がいてくれて嬉しいですo(>▽<)o
「オペラ・シリーズ」読んでみたいんですよね、ずっと。最初にシリーズ始まった時からいずれ読もうと思っていたのに、あれよあれよと巻数が増えて・・・手を出しづらくなっています。
でもやっぱりお勧めなんですね。 よし、今度暇になったら読んでみます!
Posted by 高 at 2008年09月30日 21:22
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