2008年09月06日

ジョー・オダネル 『トランクの中の日本』

あの日から半世紀、私はついにあのいまわしい記憶の詰まったトランクを開けた......。
この本は私の物語である。私自身の言葉で、私の撮影した写真で、戦争直後の日本で出会った人々の有り様を、荒涼とした被爆地を、被爆者たちの苦しみを語っている。 〜中略〜 そして、私のこの物語を読んでくださった読者の方々には、なぜひとりの男が、戦争直後の日本行脚を忘却の彼方に押しやることができず、ネガをトランクから取り出してまとめたか、その心情を理解していただけると思う。
トランクの中の日本―米従軍カメラマンの非公式記録
ジョー オダネル
小学館 ( 1995-05 )
ISBN: 9784095630137
おすすめ度:アマゾンおすすめ度


戦争終結直後、日本に上陸してきたアメリカ軍で従軍カメラマンとして撮影記録を命じられた作者は、自分個人のプライベート用カメラを購入し、公式記録とは別に様々な写真を撮り持ち帰り、その記憶とともに屋根裏部屋のトランクに封じ込めた。
しかしその43年後、彼はトランクを開け、写真を公表した。


アメリカ国内の在郷軍人による圧力で、スミソニアンでの展示が中止になってしまったという話は耳にされた方も多いでしょうが、この本には、そこで展示されずに終わった写真と、撮影したオダネル氏自身による文章が記載されています。
勝利に沸き立ち上陸した当初の勇みたつ気分が感じられるような写真から、頁をめくるごとに氏の戸惑いや葛藤、不安や哀しみが強まり、そして遂には、帰国後43年間もネガごと封じ込めねばならなくなった心境がダイレクトに伝わってきます。
涙なくして見ることはできませんでした。そしてその一方で、日本軍が成したことも収められたものも、私たちは見なければならないのではないか、と思いました。

関連サイト
BS-i 原爆の夏 遠い日の少年〜元米軍カメラマンが心奪われた一瞬の出会い〜
NHKスペシャル  解かれた封印〜米軍カメラマンが見たNAGASAKI〜
posted by 高 at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | その他の本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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