2005年01月23日

獣木野生 『オールスター・プロジェクト』

「生まれ得なかった子供、突然の死、罪人、崩壊した関係、果たされなかった夢、あらゆる無念なものの魂に 本編を捧げます」ジェームスのム所仲間たちが恩赦でいっせいに出所してきた。その祝いの夜、ボアズの姉で、ようやく念願のカタギになろうとしていたアビーは、ボスのレビンにその独立資金を脅し取られてしまう。
奪われた金を取り戻すため、ジェームスたちはレビンを相手に大掛かりな詐欺をしかけることに。
オーガス一家のメンバーをはじめ、ジェームスのム所仲間、新たに赴任してきた警部フロイド、前作『星の歴史』で片付いたはずのサロニーの登場、FBI、CIAまで何やら周囲を動き回り、この騒ぎの行き着く先は――?


「生まれ得なかった子供、突然の死、罪人、崩壊した関係、果たされなかった夢、あらゆる無念なものの魂に 本編を捧げます」という言葉で始まる、パーム・シリーズ第6話。
タイトルどおりほぼ全キャラクターが登場しての一幕です。
前半はレビンを相手取った詐欺がメインですが、後半はそれと同時進行で、マフィアの血を引き、国家に関わるような機密を知り、かつ天才的な頭脳を持つジェームスをめぐる様々な人たちの思惑が入り乱れて、物語は深刻度を増していきます。

おなじみの3主人公であるカーター、ジェームス、アンディたちも勿論ですが、新登場のフロイドがいい味を出しています。『あるはずのない海』でジェームスを裏切ったワイエスにそっくりながら、ものすごいゴーイングマイウェイな人物。
お話のラストにモノローグで入れられる今後の3人の運命にも、興味を引き立てられました。
ここには黒人も白人も黄色人種もいる。 加害者も被害者もいる。 争うことは奇妙に思える。
もし自分を捨て去ってそれを止められるなら、いったい誰が何を惜しむだろう?


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ラベル:獣木野生
posted by 高 at 17:41| Comment(2) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
獣木さん(なかなか馴染めませんね・苦笑)の漫画に惹かれたのは、最初は絵とキャラだったのですが、読み進むに従って、その達観した思想に圧倒されつつ魅了されました。例えが良くないかもしれませんが、まるで重厚な小説を読むのと同じ気持ちになります。繰り返し言葉を噛み締める感じです。
Posted by すず at 2006年11月15日 08:38
すずさん、こんばんは。
獣木さんの作品、いいですよね。単なる恋愛モノとか社会もの、探偵ものになるのじゃなくて、個々のエピソードが連なってひとつの大きな物語を造っているような印象を受けます。
印象的なシーンや言葉も多いですし。
「午前の光」も終わり、あともう少しでパームも完結ですが、どこまででもついていきたい気分です。

名前はやっぱり馴染めませんね。子どもの名前にしても何にしても、あまりに想いを込めすぎるのもどうかなぁと思ってしまいます(^^;
Posted by 高@管理人 at 2006年11月16日 21:23
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